真夜中に、かみなりが。
あめとともに、音を奏でる。
09.かみなり
12時ちょうど。
オイラはずっと眺めていた時計から顔を上げて、となりで眠るアンナに声をかけた。
「アンナ」
「んぅ…」
アンナは軽くうめいて、オイラの方に身をすり寄せる。ああ、可愛い……。
「アンナー」
オイラはアンナの頬に触れて、まだ寝ぼけているアンナに無理やりキスする。軽く触れて、離して、
もう一度深く――長い、間。
「ちょっ…なにするのよっ」
やっと解放してから、ようやく目が覚めたらしいアンナが息を切らせてオイラに抗議した。
「ん? だって、一番に言いたかったんよ」
「…何を」
暗闇でも、アンナがオイラを睨みつけているのは分かる。夜中に無理やり起こされて、機嫌が悪いんだろう。
でもコレは、今日が始まった瞬間に、一番に言いたかったんよ。
「誕生日おめでと、アンナ」
「……」
アンナはちょっとかたまったあと、
「ありがと」
とひとこと言った。
暗闇でも、アンナが照れているのは分かる。夜中に無理やり起こされて、誕生日を祝われるなんて思ってなかったんだろう。
オイラはそんな可愛い嫁さんをぎゅっと抱きしめて、首筋に唇を寄せた。
かみなりが、落ちる。
「……すごい音ね」
「ん〜?」
オイラの耳には、既に遠くの雑音。
アンナの息づかいと、鼓動だけが、オイラの耳に心地よく響く。
さっきまでは、雨と雷の音があんなに気になってたんだけどな。
「葉?」
「どうでもいいさ」
「ちょ…なにしてんのよっ」
浴衣の襟を割って手を差し入れたオイラに、アンナのビンタが飛ぶ。
「ってぇ!」
「あんた…さっきあれだけしたじゃないの!」
「ん? だから、アレは昨日の話で、今からは今日いちばんのだな……」
言い訳にもならない勝手な言葉を並べて、オイラはアンナの手を押さえて片手で帯をほどく。
かみなりが、落ちる。
「っ…バカ……ッ」
アンナは抵抗する気が失せたらしく、オイラが浴衣を脱がせてやるのを待ってから、手をオイラの首に回して、自分からオイラに唇を合わせてくる。
ああ、可愛い……。
「ウエッヘッヘ」
「なに笑ってんのよ」
「べつにー」
唇を合わせて、這わせて、交じらせて…――。
端からこぼれる液体を、舌で丹念に舐め取る。
かみなりが、落ちる。
あめが降る。
アンナの一年のはじまりに、オイラの存在をその身体にたっぷりと刻み込んで。
アンナの最初を、オイラで満たしたいなんていう、浅はかな欲に溺れた。
あめが降る。
かみなりが、落ちる――。
2003.7.22
懺悔。
嫁様誕生日記念第二弾(か?)
なぜか当初の予定より大幅にエロ度アップ。
かみなり=メラズッキューン
みたいな感じです。
あめは……聞かないで下さい。このネタは前(03.荒野)にも使ってます(苦笑)
まぁ旦那様の独占欲みたいなもんです。
嫁の何もかもが欲しいのね、旦那……(笑)
本当はもっと花くんとかに触れるつもりでしたが、
夫婦のいとなみだけでいっぱいいっぱいでした。(ふたりが。)