095.ビートルズ
そもそも生きてきた世界が違う。
彼女との出逢いはそれこそ奇跡と言うものだろう。
そうして出逢ったその夜には忘れられないような甘い時間を過ごせたのも、
まったくもって奇跡という名でしか表せない。
僕は彼女を一目見て恋に落ち、それを何故か彼女も受け入れてくれた。
しかし生きてきた軌跡がまったく違う。
彼女は良い家に生まれたお嬢様で、僕はしがないギター弾き。
僕と彼女を繋ぐのは、同じ能力と一夜の思い出だけ。
そもそもビートルズを流しながら僕の敬愛するジョンレノンの名を出し、
彼のようになりたいのだと伝えると、フランスの映画俳優だったかしらと答えたひとだ。
いくら説明しても、茎子はわからないという顔をしながら曲に耳を傾ける。
僕はそれで満足だった。
軌跡が違うから何だというのだろう。
僕には君と出会えた奇跡が有ればそれでいいんだ。
僕は今日もギターを鳴らし、敬愛するジョンレノンの歌を歌って、
彼女は横で首を傾げながらも微笑む。
僕はきっとこれからも、君の横でビートルズを流し続ける。
だから君も教えて欲しいんだ。
君の好きなもの、嫌いなもの、何でもいいから、僕に。
僕はしがないギター弾き。
けれど僕の好きな物を、こんなにも君に伝えられる手段を持っていることには感謝してるんだ。
2004.10.3
懺悔
31巻を読む前に書いたので、まさか死んでも放ったらかされるほど
茎子さんがミッキーにカンカンとはつゆ知らず。
ビートルズというお題を見た瞬間に仮面が浮かんだんだから仕方ない…