ビミョウにいろいろと失敗。

ともかく3周年、ありがとうございます。
本人すら忘れていた記念日を誰か覚えていてくださる可能性は
限りなくゼロに近いと思いますが、
なんだかんだでここまで続けられたのも
ここに来てくださってるみなさんのおかげだと思います。
本当にありがとうございます。ラビュー。

これからもマイペースでのんびり更新となりますが、
学生の頃より更にマイペースになりますが。

どうぞよろしくお願いいたします。


2006.8.1 hana





参考資料

PORNO GRAFFITTI’S LIVE
”Yokohama ROMANCE PORNO”
〜Catch the Haneuma〜




以下、上のイラストより派生したパラレルライダー葉アン。
※BGMにはぜひ「ハネウマライダー」をお願いします※






新たな旅立ちにMortorBike。
オンボロに見えるかい?
オンボロでも、Brakeが軋んでも、止まるのを諦めて突き進まなきゃいけないときがある。

心は空を裂く号令を聞いた、ハネウマのように乱暴だ。
振り落とされないようにうまく乗らなきゃ、負けちまうんだこのハネウマに。


ハネウマライダー


 レースの前はいつもこうだ、心臓が痛い。
 ただでさえ興奮の高まるサーキット。
 優勝候補のライダーには負けてられない。
 目指すはライダーキング。
 何故ならレースは…
 「葉」
 出走前に呼んだ相手は、なめらかな肌を惜しげもなく晒し、細い肢体をピッチリとした赤いレザーの服に身を納めているレースクイーン。
 「アンナ」
 強調された胸の谷間は絶対むりやり作り出していると思いながらも、その姿に心踊らないはずがなかった。
 「今日も頑張ってきてね」
 髪を揺らし、ニコリと笑う彼女はとても可愛かったが、この笑顔を他のライダーたちに振りまいてるのをオイラはちゃんと知っていた。でも。
 「今日こそ優勝してやるからな」
 まじめに言えば、アンナはいじわるい笑みを浮かべた。
 「無理よ、あんた下手だもん」
 心からそう思っている様子のアンナは、悪びれてなどまったくいない。
 「今回も優勝はハオに違いないわ」
「いや、負けねぇ、そんでお前にプロポーズする」
 何度目かになる嘘のような誓いも、毎回本気で口にしていた。
 「い・や。あたしの夫はライダーオブライダー…ライダーキングじゃなきゃ。クイーンには相応しくないでしょ?」
 パラソルをくるくるまわしながらアンナがほほ笑んだ。
 「あたしに乗るのはケッコウうまいのに、バイクになるとどうしてあんなに下手なのかしら」
 不思議そうにひとさし指を顎にちょんと乗せたアンナは、無邪気にすら見えた。しかしオイラはその身も蓋もない言葉にかぁっと頬が熱くなる。それをこのクイーンは面白がっていた。
 「優勝賞金たくさんかせぐようになったら、結婚も考えたげるわ」
 パラソルはくるりとオイラに向いて、アンナがそれに隠れてしまった。
 「じゃあね、ライダーさん」
 ハネウマを捕まえ損ねて、そいつはまだ勝手にオイラの胸を遊び場にしてる。腹立たしいやつだ。


 レースに臨むにはさっきまでのハネウマの種類を代えなきゃならない。クイーンから、バイクへ。跳ねる思いは姿を変えても結局胸を叩く。
 サーキットのスタート地点に立てば、果てしない円があざ笑うよいに伸びる。横目でクイーンが見えた。
 「3…」
 高鳴る胸。
 「2…」
 高鳴るエンジン
 「1」
 入り込む空気
 「GO!」
 人とマシンの叫び声。
 アンナが自分を呼んだような気がした。
 オイラの跨がった風はいつもハネウマのように乱暴だけど、ここにとどまることを許しはしない。
 流れるサーキットの景色も声援も、アンナもかき消して、ただ興奮のたずなを操る。
 ヘルメットの中で、そのバランスに苦労しながらも口の端が自然と上を向いた。単純に、バイクが好きだ。
 バイクの群を抜き、誰も前を走らないサーキットを駆け抜けるため、オイラは空を裂いた。

 「で、3着ね」
「まあ、よくやった方だと思うよ」
 今回の優勝者(キング)・ハオの腕には、きちんとアンナの細い腕が絡まっていて、二人とも意地悪く笑っていた。
 嫌味は無視するに限る。いちいち買ってたらハネウマが四方八方に走りだしちまうし。
 「…アンナ、次こそ見とけよ」
 その言葉にハオはきょとんとして、アンナは片方の眉をあげた。
 「じゃな、ハオ」
 まともに顔を見ることはかなわず、オイラは背を向けた。
 絶対、いつかと、嘘のような誓いをもう一度心で唱えながら。


 「あいつ、なんだってアンナに宣戦布告?」
「ばかだからよ」
 アンナは即座に言って、でもその目はきちんと葉の後ろ姿を追っていた。
 「それはそうと、今度僕と夕食でも一緒しないかい?」
 その言葉に、アンナはするりと腕を抜いて、ハオから離れた。
 「あいにく、あたしの相手をできるのはキングに相応しい男だけなの」
「君はいつもそればっかりだなあ。優勝を重ねる僕以外に、君に相応しい男がいるの?」
「さあ。それはこれから分かるかも」
 ハオは仕方ないなぁといったふうに頭を掻き、アンナはそこから立ち去った。
 彼女の中のライダーキングはまだ決まっていない。
 けれど見てるだけで心のハネウマを狂わせてしまうような、そんな魅力的な走りを持つ男。それを探しているのだ。本人はまだ気付いていないけれど、不器用な走りの中にその輝きを見つけた、けど、まだ、確かめたい。
 ただ後ろでしがみついてられないような、一緒に空を裂き走りたい男なのか。
 アンナは、ただ彼がどんな成長をするのかを楽しみにしていた。
 
 途中じゃ降りられないバイクに乗り込んだことに気付くのは、もう少し先の話。



ハネウマライダー END



懺悔

のめり込むのはどちらかというとアンナの方だと思う。(ボソリ)
ハネウマライダーは、こうしてはなしの元にして書かせてもらって気づくのですが、
気づくの遅いですが、奥が深いですよ。

レースクイーンのアンナとライダー葉は
唐突に思いついた割に萌です。
やべぇよ、アンナたんからだ許してる時点でやべぇよもう。

…にしたってライダーキングって……orz