sweet, bitter sweet 2


 アンナからのキス。熱を帯びたそれは、確実にオイラを追い詰める。
 アンナの下敷きになりながらも、唇を重ねたまま抱きしめ、もう一度オイラの腕の中に閉じ込めた。
 アンナがそっと唇を離した。オイラの目を、少し潤んだ瞳で見る。
 「アンナ…?」
「おバカ」
 そう言って、アンナはオイラの手を取り、自分の胸元まで運ぶ。
「な…っ」
「あたしの心は、あんたが一番知ってるでしょ」
 アンナのその口元は、わずかにほころんでいた。
「アンナ…」
 話す言葉は、すでに耳には入らなかった。
 小さくてぺったんこなんだけど、それでも女なんだと主張するその場所に…アンナはオイラとは違う生き物なんだと、改めてつきつけられた気がした。初めて触れるアンナの胸。見ための小ささからは想像もできないほどに柔らく、逆にその胸の先に突き出るソレの硬さは、強烈な印象をオイラの手に残した。オイラの手首はアンナに捕らえられているので、指先だけでその突起をなぞる。
 「ん…っ」
 アンナの唇から声が漏れた。
「――っでも……」
 アンナはオイラの指先をそのままにして、話す。
「あたしも、あんたのこと言えないわね……」
「……」
「あんたが…全然、あたしのことを見てくれないから……疑ったわ、あんたを」
 アンナがそっとオイラの腕から手を放す。でもオイラの手はアンナの胸にぴったりとくっついちまってて…離れない。
 手首を解放されたオイラは、アンナの胸全体に自由に手を這わした。
 「ん――っぁ…あんたが……そんなふうにあたしのこと見てくれてたなんて、知らなかった…」
 吐息混じりの声。
「…すまん」
 顔が赤くなる。
 ――すまん、本当に。
 「だからバカだって言うのよ、あんたは。分からないの? あたしだって――…きゃっ」
 オイラは、アンナを布団の上に押し倒し返した。――バカは、アンナの方だ。
 ずっと、どろどろと膿みたいに溜まっとった欲が、出口を求めていた。オイラを壊そうともがき、追いつめてたんだ。このまま閉じ込めておこうとしたそれを、アンナが解放してどうするんよ。
 「葉…」
「すまん」
 オイラはもう一度つぶやいた。重ねた身体が、触れた部分からじわりと熱を持っていく。触れあう手は細かに震えていて、それはオイラの震えかも知れんし、アンナのそれかも知れんかった。冬の寒さのせいかも知れない。いっそそう思っちまおう。
 せめて身体だけでも暖まりたいと、はやる気持ちがオイラをかきたてる。
 閉じ込めてきたオイラの欲は、オイラを突き破ろうとしていた。
 アンナの浴衣の帯に手をかける。静かな音をたてながら、帯はするりとほどけ、オイラの手の中に収まった。
 アンナが拒否すれば、オイラは止まったかもしれない。必死に、耐えて、耐えぬいて、自分を抑えたかもしれない。
 けどアンナは何も言わない。まっすぐにオイラを見つめて、何も言わずにオイラの動きを受け入れている。
 アンナの浴衣を脱がしていく。気持ちの悪いほど冷えきったオイラの手はこわばって、思うように動かない。すぐにでも剥ぎ取ってしまいたいのに、実際にはそろそろとぎこちなく、浴衣がはがれていく。さっき触れたアンナの柔らかな胸が、ゆっくりと姿を現した。
 浴衣は脱がしたというよりは脱いでもらったという感覚で、その手間取った時間が余計に恥ずかしくさせた。ゆっくりと露わにされたアンナの裸は、むしろ手早く脱がすのよりもいやらしく感じさせる。
 アンナが、小さく呟くようにして笑った。
「…?」
「あんたのこと…っ……愛してるわ」
 緊張しているのか、少しだけかすれた声でそう言う。わずかに微笑まれて、オイラはその笑顔と、言葉に、自信を貰った。オイラも緊張していて、それでもぎこちない笑みを返す。
 オイラは自分のことに手一杯だっていうのに、アンナはオイラのことまで考えてくれる。オイラを安心させてくれる。「愛してる」なんて言葉、オイラにはまだ恥ずかしくて当分言えそうもねぇけど。
 今はその言葉の代わりに、アンナにできる限り優しくしようと思った。アンナがくれたあったかい自信と、勇気を、オイラも返せたらいいのに。
 お互い身につけてたもんは全部脱ぎ捨てて、裸で抱き合った。肌を刺すような冷気に怯えながら、それでも放すまいと堅く抱く。これからしようとすることは、まだ早いんだとか、しちゃいけないんだとか、そんなことはオイラにはどうでも良くて、アンナが傷つかないか、壊しちまわないか、そればかりが恐かった。
 唇を合わせる。外気とは違った熱を帯びたそれは、しっとりと、オイラとアンナをつなぐ。放しては繋ぐその行為を何度か繰り返した後、そのままオイラは唇を運んで、首筋や、胸に、ぎこちなく触れていった。
 アンナの唇から声が漏れた。今まで聞いたことのない声。こんなに脳の奥を刺激される甘い声が、アンナの口からこぼれるなんて。
 確実に大きくなる自分のソレを意識して、オイラはもっとそんな声を聞きたいと思う。どうすればどんな声が聞けるのか、分からないからいたるところに唇を落とす。身体じゅうに手を這わせる。さっき触れた小さな胸や、その細い腰や、足。柔らかな太股を撫で上げると、アンナの身体がビクリと反応し、震えた。
 ――ココがいいんか…?
 白い足を持ち上げ、その汗ばんだ内股に唇を押しつける。
 「は…っぁ、よう…」
 名を呼ばれ、ビクッと身を縮める。手を止めて、アンナの方を見た。
 真っ赤な顔をしたアンナは、オイラの手が止まったのに気づいて、薄く目を開いた。
 「……よ…ぅ?」
「ん、いや…」
 そっか。別に拒否されたわけじゃないんだな。
 「何でもねぇ」
 勘違いした自分が恥ずかしくて、苦く笑う。
 「――なぁアンナ」
 もう一度アンナの身体を探るその前に、オイラは言おうと思った。
「ヤだったら、言ってくれよ」
「…」
「オイラ、その…アンナに無理させるのは、嫌だからさ…」
「まだつべこべ言うの?」
「う…っ」
 つべこべって…一応オイラはアンナの事を考えたつもりなんだけど。
 少しムッとしながらも、頬を染めたまま気丈な態度のアンナに愛しさも覚えた。
 矛盾する感情は何度も沸き起こる。
 無理をさせたくないなんて言いながら、本当は抱きたくて仕方なくて。アンナが泣いたって、拒否したって、たぶん本当は我慢なんかしたくない。無理やりにでもいいから抱きたい。でもそれができないのがオイラで、それは本心で。
 それが回数を重ねれば変わるのか、それともずっとこんな調子なのか、それはオイラにはまだわからなかった。
 ――とにかく。
 「もう、聞かんぞ」
「…好きになさいよ」
 相変わらず気丈なアンナに、言葉で言い返す代わりに、また唇をふさいでやった。
 アンナの細い腰を引き寄せる。両手で大きく足を広げていくと、姿を現したアンナのソコに、お互い赤面した。女の身体ってのは、どうやら本当に男の欲を受け入れるようにできてるらしい。
 その場所を、指でそっとなぞる。
 「ん……っ」
 ピクリと反応し、痙攣する柔らかなソコは、それ自身がアンナとは別の意志を持った生き物のようで、どう扱えばいいのかに困った。割れ目を押し開いて中に指先を入れると、わずかにくちゃりと音がして、更にはアンナの甘い声も聞こえて、妙にいやらしい。
 中は熱くて、そして粘着質の液体がオイラの指先に絡まっていった。押し返そうとする力は強く、それ以上入れていいもんなんかわからずに、しばらく指を挿し入れたままアンナを見つめて思案する。
 アンナは顔を赤くして、キュッと目をつむっていた。妙にかわいくて、そしてオイラは指以上にアンナを求めて止まない場所が大きく主張しだしたのに気づく。
 アンナの中に入れていた指を引き抜き、オイラは自分の身体を滑り込ませた。そそり立つ自分のソレを、アンナの女の場所にそっと押しあてる。
 大きくなった自分が、本当にこんな小さなアンナの中に入るんだろうか。改めてそう考えると、まったく無茶なことの様に思えた。お互いの身体は未発達で、それでもオイラのソレは乱暴なほどに男だった。
 先端を、アンナの中にわずかに入れる。
 「ああ……っ」
 それだけで、アンナは身体を跳ねさせ、オイラに必死でしがみついてきた。アンナの爪が背中に食い込む。
 「だ、大丈夫か?」
 痛いのをこらえながら、オイラはアンナに声をかける。
 「き…聞かないんでしょ……もう」
 ――そう言ったけど。
 「そういうわけにも…いかんだろ」
「いいの……」
 少し落ち着いたのか、アンナは息を吐きながら言った。
「大丈夫」
「……ん」
 その言葉全てを信じたわけではないが、すがりたい自分は確かに存在して、肯く。もう少し、奥へと、自分を進める。熱く、ねっとりとしたアンナの中で締め付けられる感覚に、オイラは身震いした。押し返そうとするアンナのカベ。その力に抵抗する様に、オイラは自分をゆっくりと押し沈めていった。
 アンナは我慢してくれているのか、ますますオイラの背中に爪を立てる。涙が頬を伝い、赤い唇からは、甘いあえぎがこぼれる。
 アンナの中にオイラが全て入り込んだ時、体よりも心が満たされた気がした。アンナがオイラを受け入れてくれた事実。繋がって、ひとつになっているという実感が、下からじわじわと押し寄せる。性器と性器が、絡み合う。うねるような熱い身体。苦しいくらいに、抱きしめ合った。
 「は…っぁ……」
「…ァ…ンナ、痛くねぇか?」
「ぅ…ん……」
 オイラをキツく抱きしめ、銜えたまま、アンナはうめくように返事をした。――かわいい…。
 …いやいやいやいや、そうでなくて! オイラは首を振る。
 「ほ、本当に大丈夫か?」
「ぅ…うるさい、おバカ」
 言葉ほど大丈夫じゃないのか、アンナは顔を赤くして言う。――意地っぱり。でもそういうところがかわいい。そんなアンナに甘えようとしてるオイラは最低かな。今度は心だけでなく、十分感じちまってる体も、今以上に更に満たして欲しいと願う。
 「なぁアンナ…動いていいか?」
「え……?」
 さすがにアンナの瞳が不安げにゆれる。でもオイラも真剣だ。了解の返事は得られないまま、オイラはゆっくりと腰を前後に動かす。
 「ああっ…」
「ア、アンナ…っ」
「葉……っ!」
 抱きしめられた力の分だけ、オイラもアンナを抱きしめ返して、腰を寄せ、より深く、これ以上ないくらいにアンナを近づけた。根元まで入れて、アンナの奥を突く。
 「ぁあ……っ」
「くっ…」
 声がこぼれる。
 オイラはアンナの中に、ずっと溜まっていた白い欲を吐き出した。ずっと抑え続けていたら、苦くかたまって、オイラを動けないようにしていたかもしれない。――いや、熱に侵され、甘く霞みがかった意識は、すでに気づかないままにオイラを支配していた。
 抱き合ってキスするだけじゃ満足がいかなくなったのは、いったいいつからだったんだろう。
 そんなことを、遠く思い返していた。意外と分からないもんだと思いながら、オイラはアンナの中からずるりと抜け出た。
 





懺悔


もはや完全に許されない域に達しています。
すみません。

葉さんはひたすら優しいだろうと考えたら、何だか半端にオトコなりました。
何だかなぁ…。
結局いちばん優しいのは嫁ですね。(笑)


あまり年のこととか考えないでやって下さい。
実際の小学生の男の子がどんなこと考えてるかなんてサッパリです。(苦笑)
まぁ小学生の男の子がコレを読むことはないであろうことだけが救いですね。(笑)