夏休み 5



 オイラはアンナの手を取って、ただがむしゃらに歩いた。別に向かう場所にアテがあったわけじゃない。
 ただ、ちょっとでもあの場から離れたかった。
 蓮やホロホロやチョコラブや……とにかく仲間に、アンナの姿をさらすのさえ嫌に思えてきてたのに、あそこには全然しらねぇ奴らまでいる。そいつらまでがアンナの水着姿を見て、そんで喜んでるのを見て、オイラが冷静でいられるはずがない。
 どこか、アンナを隠せる場所――オイラだけがアンナを独り占め出来る場所はないかと巡らす。
 もう情けないだとか、独占欲だとか、そんなことはどうでもよかった。
 ただただアンナを独り占めしたい。他の奴らなんかにアンナを見せたくない。そんな勝手な考えだけがぐるぐる渦巻いて、オイラはアンナの腕を乱暴に掴んだまま歩いた。
 アンナは、そんなオイラに対して何も言わない。たぶん、あっけにとられてるんだ。オイラだって、どうしたいのかなんてわかんねぇ。
 結局オイラの足は旅館の方に戻っていた。他の奴らのいない部屋にいれば、オイラの気分もおさまるかもしれない。そう漠然と考える。
 「ばあちゃん、鍵貸してくれ」
 オイラは受付んとこで眠りかけていたばあちゃんに声をかけた。今から思うと、受付がばあちゃんで良かった。これが男だったらオイラまた独占欲に駆られてたに違いない。
 「どうしたの、葉。忘れ物でもしたの?」
 今まで黙ってたアンナが口を開く。
「いいから、鍵」
 オイラはもどかしくって、ついばあちゃんにつっけんどんに言ってしまう。
 「どこの部屋の鍵さ」
 ばあちゃんに言われて、はたと気が付いた。た、確かに……。大部屋は、とりあえずパスだ。男ばっかの部屋にアンナを入れるだなんて、一番勘弁したい。
  「アンナ、どっちの部屋なんだ」
「あたし? あたしは105……でもどうしたのよ、あんた…」
「ばあちゃん、105の鍵」
 オイラはアンナの言葉には応えず、いぶかしげにオイラたちを見るばあちゃんの手から鍵を受け取った。
 オイラの手の中で、鍵がカチャリと音をたてた。


 部屋に入って、オイラはようやく掴んでいたアンナの腕を放した。
 「――もうっ、何だっていうのよ、あんたは」
 オイラが掴んでいた部分をさすりながら、アンナが抗議した。チラリと見えたアンナの腕は、確かに少し赤くなっている。
 オイラはちょっと後悔しながらも、でもどこかで満足しているのに気付いた。アンナは、オイラだけが――…。
 「あんた、本当に変よ? さっきのスイカ割りの時も……」
 言いかけて、アンナは何か思い出したような顔をした。
 「そういえば、あたしが転びかけたとき――あの時、何であんなにあたりがざわめいたの?」
 オイラはその時の光景――アンナの胸元が見えそうになった光景と、それを見た奴らの嬉しそうな声を思い出して、どこかで、何かが弾けるのを感じた。カッと顔が熱くなる。何かが吹っ飛んじまったみたいだ。
 「……きゃっ」
 オイラは力任せにアンナを抱きすくめた。
 「アンナ……」
 耳元で、そっと囁く。吐息まじりにそう言うと、アンナの身体がピクリと震えた。
 お前、分かってんのか? そういうところが、オイラに残ってたカスみてぇな罪悪感すら、どっか手の届かない遠くの方まで流しちまうんよ?
 「…アンナ」
 もう一度名前を囁きながら、オイラはアンナの細い腰を引き寄せ、あいたもう片方の手でアンナの頬に触れた。そのまま上を向かせると、アンナは潤んだ瞳で、でも眉をひそめて怒ったような顔をしていた。
 「何なの? 理由を言いなさい」
 有無を言わさぬ口調。
 オイラはそんなアンナの凛とした瞳に引き込まれそうになる。アンナの何もかもに、溺れて息が出来んくなる。ああ、アンナが好きだ。オイラだけのアンナを見たい。オイラに溺れるアンナを…――。
 頬に当てた手を、そのまま首筋を這わせて、胸元に下ろした。形のいい膨らみを、そっと外側から包み込む。
 「ん……やっ、なに…っ」
 抵抗してオイラから離れようとするアンナの腰を、きつく抱き寄せた。――逃がさない。逃がしてやらない。
 「アンナの胸……さっき見えそうになってたんよ……」
「っ!!?」
 顔を真っ赤にしてオイラをキッと睨む。
 「嘘じゃねぇよ」こんなこと、嘘でも言いたくない。
 「オイラ以外にあんな色っぽい姿見せられて……オイラが平気でいられると思うんか?」
 胸を揉む手に、ギュッと力を込める。
 「いたっ……よう…っ、ぃや……」
 力での抵抗ではオイラを止められないとさとったアンナが、オイラに懇願するような目を向ける。涙で潤んだ瞳…――。
 幾度となくオイラに抱かれてるくせに、どうしてそういう目がオイラを狂わすってのが分からん? どうしてそんな声がオイラの本能をイタイほど刺激するってことがわからねぇんよ。
 「アンナ……っ」
 上の水着を押し上げ、アンナの乳房をあらわにする。身をよじって恥じらい、逃げようとするアンナを押さえ込み、そのままアンナの突起をいきなり口に含んだ。舌を使い、中で転がす。
 「やぁっ……! ちょっ……葉っ」
 オイラを押しのけようとするアンナの手を押さえ込むため、オイラは一旦口を離した。  
 中途半端に脱がされたアンナの水着が、余計にオイラをそそる。
 頭に血が上ったまんまのオイラは、抵抗するアンナの手がわずらわしく思えてきた。ふとアンナの首にかけられたままの、スイカ割りん時の目隠しの布に目がとまる。
 オイラは唐突に、乱暴にアンナを畳の上に押し倒した。
 「あ……っ!」
 アンナの苦痛に歪む顔。でも今のオイラには罪悪感なんて沸き起こらん。その頬に唇をあて、舌でそっと舐め上げる。抵抗するその両腕をひとまとめにして上にやり、押さえつけた。アンナの首から白い布をはずして、それでそのまま両腕を縛り上げる。
 「葉……なにするのよ……っ」
 眉をつり上げ、アンナはオイラを睨みつける。いつもならびびっちまうその瞳も、理性なんてどっかにやっちまった今のオイラには、何の効力もなかった。
 「アンナ……」
 オイラはアンナの柔らかな胸を揉み上げながら、熱っぽい息をアンナの首筋に吐きかける。
 「あ……っ」
 アンナの身体がピクリと反応する。予想以上に甘い声。硬くなってきた胸の突起を指先でつまみ上げると、アンナはさらに高く声をあげて鳴いた。こんな可愛いアンナは誰にも見せらんねぇと、オイラは心の中で改めて思う。
 「ん……よう、ホントに……やめ……んんっ」
 こんなんなってもまだ抵抗しようとするアンナに、オイラは無理やり口づけた。閉じようとする唇に舌を強引に差し込み、逃げるアンナの舌を絡めとる。
 熱を帯びた声が、どちらからともなく漏れた。口の端から唾液がこぼれ落ち、それでもオイラはアンナを貪る。
 「んんっ…!」
 さすがに息が苦しくなって、離してやると、アンナは虚ろな目でオイラを見上げた。抵抗する力が抜けきったみてぇに、ぐったりと畳に横たわる。
 もうアンナを縛る必要もないと思い、オイラは布の結び目をほどいてやった。汗で湿気を帯びた布は、アンナの腕から名残惜しそうに離れた。
 「ん……葉っ」
 アンナの甘い声がオイラの耳元をかすめる。オイラは思わず笑みを浮かべ、アンナの唇に自分のそれを落とした。何度も何度も、執拗なほどに。
 「んっ…アンナ…――」
 今更なにも――アンナの意志すらも、妨げになることはないと思い、オイラは手を下へ滑らせ、アンナの下の水着に手をかける。
 「ぃ…やぁっ……」
 荒い息をあげたまま、それでも片肘をついて上半身をなんとか起こし、アンナは水着をずらしにかかったオイラの手を止めようとした。
 「葉…やめて……」
 オイラは頬がカッと熱くなるのを感じた。自慢じゃないが、ここまできてこうまでアンナに抵抗されたことなんて、今まで一度もない。乗り気じゃないアンナを無理やり組み敷いて、なし崩しに抱いたことなら何度もあるが。いつも結局、アンナはオイラを優しく受け入れてくれるのに。
 オイラは急に不安になった。不安になるのと同時に、また言いしれぬ欲がどす黒くオイラの中で渦巻くのを感じる。目の前が真っ暗になりそうだった。
 「ひゃぁあっ」
 オイラはアンナの抵抗する手を無視し、水着の横の隙間から指を滑り込ませ、アンナの中に強引に突き刺した。何もかも忘れさせて、オイラだけのアンナにするために。アンナを乱して、オイラで溺れさせて、抵抗する気なんかなくしちまうために。
 アンナの中で、オイラの指を暴れさせる。かき乱し、突き上げる。
 「あっ……やぁっ、ぁあああっ!!」
 オイラの指の動きにあわせて、アンナが高く大きく鳴く。指に粘りけのあるアンナの愛液が絡みつく。
 アンナは何か戦っているみたいに見えた。息を乱し、オイラの指に反応して声を上げ、とろけそうな視線をオイラに投げかけるのに、完全にオイラのものになる一歩手前で、首を振って抵抗を始める。
 「ぃやぁ……やめっ…ああっ!!」
 オイラは抵抗の声を無視して、アンナの腹、胸、首筋…と、あらゆるところに吸い付き、唇を這わし、舌で舐め上げる。耳元に口を近づけて、何かに抗うアンナに、意地悪に囁いてみた。
 「アンナ……イッてもいいんよ?」
「……っ!!」
 とどめに、オイラはアンナの一番弱いところに爪を立てた。アンナがどこに反応するかなんて、オイラは知り尽くしている。
 「ひゃあっ!!」
 ゴプッと、アンナの中から愛液が溢れ、足を伝って、とろりと零れだした。オイラは指を引き抜きアンナで濡れたそれを丹念に舐めとる。
 「ん……」
 アンナは眉を寄せ、きゅっと目をつぶり、未だその余韻に戸惑っていた。
 指を入れるために横にずらされた水着を、オイラは無用の長物として取り払う。どこも覆うことのなくなったその水着は、それでも粘りけのあるアンナの愛液を残していた。
 「アンナ……」
 オイラは自分の水着も脱ぎ捨て、アンナに覆い被さる。足を割ってオイラの身体を滑り込ませ、腰を抱き上げ、入り口にオイラ自身をあてがった。
 「よう……」
 焦点の合わない瞳でアンナがオイラを眺め、名を呼ぶ。
 「…いいか?」
 さんざんアンナの意志を無視してきたのに、何でか聞きたくなっちまって、オイラはアンナに問うた。
 アンナは小さく、けれど確かに、コクンと肯いた。
 オイラはホッとして、片手でアンナの足を押し広げ、そのままズブズブとオイラを入れていく。熱いアンナの中は、オイラの自身と一緒に、意識までもを混濁させるみてぇだ。どこまでが無理やりで、どこからが合意の上だったのか。アンナは最初からこうやってオイラを包んでくれるつもりだったんじゃないか。そんな自分勝手な考えまで浮かんできた。
 それでも抵抗された事実はオイラの胸を少し痛みつけていて、そんな痛みを忘れるように、オイラは何度もアンナを突き上げた。
 「んんっ……あっ…はぁっ……ぅん」
「ア……ンナッ!」
「ぁああっ!!」
 幾度となく腰を打ち付けているうちに、オイラの白濁したものがアンナの中に注がれた。入りきらないオイラの精と、収まりきらないアンナの愛液が、太股を伝ってこぼれ落ちる。
 それでもオイラはアンナを放さず、繋がったまま、アンナを上に乗せてごろりと畳に寝っ転がった。アンナはオイラにぐったりと身体を預け、息を乱してあえいでいた。
 「ハァ…ハァ……んっ……」
 コポッと、アンナの中から液が流れ出た。愛しさがこみ上げ、余韻が抜けきれないその身体を抱きしめる。汗ばんだ唇をアンナの首筋に押しつけ、オイラの跡を残してやった。こんなに抱いても、まだどっかに独占欲は残ってたみてぇだ。
 「ん……」
「アンナ……」
 オイラはもう一度、アンナのオイラの下に組み敷いた。
 「ひゃっ…」
 動いた拍子に中でオイラのを感じたのか、思ってた以上に可愛らしい声がこぼれた。こんな可愛い声出されたら……オイラ、また止まんなくなるじゃねぇか。
 熱っぽいオイラの視線に気づいて、アンナは頬を染めた。
 何かに抗ってたアンナも……いつの間にかそのことを忘れたように、熱っぽい視線をオイラに返す。
 ああ、また…――アンナに、溺れていく。
 オイラの下で声を上げ、アンナは再び息を乱していった。















懺悔。

本当にごめんなさい。(逃)
改めて見返して、やっぱupやめようかなぁと何度も思いました。ええ。

書きながらもう勘弁と何度も思いつつ書き進めてました。
「鬼畜な葉」。すべてはこの一言から始まってしまったのです。(笑)
でも頂いたリクはこうでした。
「微妙にエロチック」。
どこが微妙なんや!! もろエロじゃぁああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

ごめんなさい、本当に。

もうしばらくは普通でいいです。
精神的に疲れました。


旅館の部屋割りやスイカ割りの目隠しがココに繋がっていたなんて、
誰が想像していたでしょうか。(笑)

しかし…どうしてエロだとこんなに長くなるんでしょう……不思議。


因みにアンナが抵抗した理由は、次に触れるかと。(大した理由ではないんです。)